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英語で書かれた文章が読めるスキル

「英語で書かれた文章が読めるスキル」とは何を意味するのでしょう。「英語で書かれた文章が読めるスキル」を養成するために何をしたらいいのでしょうか。

私が中学・高校で英語を科目として勉強していた時は、英語=理系・文系ともに大学入試の合否を左右する大切な科目でしたから、記述式あるいはマークシート式テストで一定点をとるために必要なリーディング力をつけるのが最優先でした。正確な和訳をするために必要な構文把握力、内容一致問題に正解するための内容把握力、制限時間内にすべての英文を読み切る速読力などに重点が置かれましたが、あくまで「試験ありき」、試験で高得点をあげるためのリーディングスキルがまず求められました。私が中高生だった25ー30年前(いま計算してみて若干の戦慄)は「文法訳読法(注1)」が英語教授法の主流。英語で書かれた文章が読めるスキルとは、その文章をいかに日本語に置き換えることができるかを意味していた、つまり英語での入力を日本語で出力するスキルが大事とされていました。そのために英文1つ1つを徹底的に構文分析するなんてことを、日々黙々とやっていたわけです。その作業自体私は嫌いではなかったですが、いま思うとずいぶん視野の狭い英文との接し方だったなぁと思います。当時を振り返ると、高校生だった自分に一番欠けていたのは「速読力」だったと思います。速読練習なんて、学校でも個人教授についていた先生ともしたことはなかったですし、「英文をアタマから戻り読みしないでチャンクごとに意味をとって読み進む」ことの重要性自体、当時はさほど強調されていなかった気がします(今でも覚えているのが、東京SIM外語研究所が出していた速読メソッドのカセット教材。第一志望にしていた大学の英語入試は大量の英文を読ませる英問英答式だったため藁をも掴む気持ちで購入、そのままお約束の放置プレイへ)。当時の英語教育では「reading fluency (スラスラ読めるスキル)」よりも「reading accuracy (正確に読めるスキル)」に重きが置かれていたということでしょう。ただ「reading accuracy」 を追求し、分析的に英文を読む「精読 (intensive reading)」をしたおかげで、いわゆる英文読解力の基礎がこの時できあがったと思っています。これは英文を書くスキルにもつながりました。その後現在に至るまで、英文を読み続けることで少しずつ速読力をつけていったように思います(その間流れた時間=25年)。

では同じ「試験ありきのリーディングスキル」でも年間受験者が200万人に達する勢いのTOEIC、このリーディングセクションのパッセージが読めるとはどういうことでしょうか。「読める=問題の正解がわかる」という定義であれば、質問で聞かれている内容をパッセージの中から探す情報検索力、内容一致問題に正解するための内容把握力、同義語問題に正解するための語彙力、そしてなにより17あるパッセージと48個ある質問、および192個ある選択肢を制限時間内に読み、正誤を判断する速読力といった「正解につながるリーディングスキル」がTOEIC における「英語で書かれた文章が読めるスキル」を意味するのでしょう。TOEIC では質問文・選択肢もすべて英語で書かれていますから、英語での入力(パッセージの内容理解)を英語で置き換えられた近似値と一致させること(質問を理解し選択肢から正解を選ぶ)ができるかを試しているとも言えます。ではその「正解につながるリーディングスキル」を養成するために何をしたらよいのでしょうか。TOEIC の練習問題を繰り返し解く、なるべくたくさん解く、頻出単語を覚える、出題パターンを知りそれを覚える、実際に出題された問題と自分の知っているパターンを照合できる能力をつける、どれも短期間でスコアを上げるためには効果的なトレーニングです。もし現状スコア500点の受講生の方に「あと3ヶ月で730点とらないと一家が路頭に。。」と涙目で見つめられれば、上記のことをやってくださいとお伝えするでしょう。「TOEIC 解答力」をつけるにはこれが最短ルートのはずですから。ただし養成するのは「TOEIC 解答力」と「それを支える読解力」です。この2つのスキルは、私個人の考えでは「英語で書かれた文章が読めるスキル」とイコールではありません。

私の思う「英語で書かれた文章が読めるスキル」とは、限られた時間でもおおよその内容が把握できる、母国語への置き換えではなく画像やイメージで内容が理解されている、英語で要約や概略 (summarizing・outlining) を書くことができる、英語で内容を人に説明できる等を含めた読解力です。その人が英文をどの程度理解しているかを外部から測定し可視化するのは実際難しい話ですし、その結果TOEIC 等の客観式テストで測れる英語力にも限界や偏りが出てきます。でも個人的には「自分は英文をこう理解した」というのを英語で表現・再現できるスキルは「英語で書かれた文章が読めるスキル」にぜひとも入れたい要件です。自分が指導している学生にも、ただパッセージを読むだけでなく概略をまとめるタスク(outlining)を必ずやってもらいます。英語で概略をまとめようとすると、より深く・より正確に英文の内容を把握して、重要な情報・さほど重要でない情報を見極める判断力が必要になります。その訓練を積むことで、正確に読むスキルを養成していくわけです。学生たちは課題で書いてきた概略を持ち寄り、グループで「そこは要らない」「いや、これは要る!」と毎回議論し、その後私が書いてきたサンプルを読んでそれを参考にしたり批評するのですが、一連のタスクが「英語で書かれた文章が読めるスキル」の養成に繋がっている手ごたえを感じます。

ある程度の TOEIC 解答力、たとえばリーディングセクションで安定して400点以上とれるようになった方には、TOEIC 解答力「のみ」をあげるトレーニングからは卒業することをおすすめしたいです。出題パターンを知ることで得られるものは、400点以上を獲得する過程ですでに得ているはずですから、問題演習だけではスコアの頭打ちは時間の問題でしょう。TOEICのパッセージよりも語彙・構文の負荷が高いもの、例えば英字新聞やインターネットで読めるニュースサイト・オンラインマガジンサイトに掲載されている記事やエッセイを毎日読んでみてはいかがでしょうか。1回目は「reading fluency」養成のために辞書なしで通して読む、2回目以降は「reading accuracy」養成のために知らない単語を調べながら正確な内容理解を求めて精読する、3回目以降は「reading fluency & reading accuracy」を同時に鍛えつつ、「vocabulary building」もかねて黙読と音読を繰り返す。英語で要約や概略をまとめられれば理想的。1日1記事でも継続すればかなりのトレーニングになります。世界の最新ニュースやプロのライターが書いた文章に触れられますし、オンラインサイトであればそのほとんどが無料です。内容はご自分の興味で選んでOK(私は Health, Food &Drink, Life といった生活密着カテゴリーが好きです )、やはり興味が持てないと続きませんから。ただ1回読んで終わり、流し読みして終わり、ではあまり効果は期待できないと思っています。速読→精読→速精読&ボキャビルと「ねちこく」やる(その意味で「多読(注2)」を効果的に行うには適切なガイダンスが必要と感じます)。こうしたトレーニングは「TOEIC 解答力」でもない、「試験ありきのリーディングスキル」でもない、「英語で書かれた文章が読めるスキル」の養成につながります。せっかく語学学習するなら、その言語を母国語とする人が読む文章を、ほぼ同じ理解度で読めるスキルを目指したいものです。架空の文章を元に誰かがあらかじめ用意したテストの正解にたどり着くより、ずっと楽しいはずですよ。


(注1)文法訳読法: 語学教授法の一つ。英語では、"Grammar Translation Method"と呼ばれる。文法訳読法の歴史は古く、ヨーロッパでラテン語の教育が盛んであった数百年前から存在している。文法と語彙に焦点をあてながら、テキストの文章を母国語に訳すという授業が行われることが、文法訳読法を用いたクラスの特徴である。これは流暢さよりも正確さを求めるという、いわゆる典型的な日本の語学教育のスタイルだが、世界的にはよりコミュニケーションに焦点を当てた教授法が主流となっている。

(注2)多読: 多読とは本をたくさん読むことだが、英語学習者にとっての多読とは、自分にとってやさしめの英語で書かれた本を大量に読むことである。多読による英語学習法を提唱する有名なサイト「SSS英語学習法」では多読のポイントとして、 (1) 辞書を引かない (2) 分からないところは飛ばして読む (3) つまらなくなったら読むのをやめる の3点を挙げている。

参考文献: 英語情報サイト 英語村 http://eigomura.net/index.html
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Author:Aya
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